2015年6月24日水曜日

世界銀行が出資する開発計画への批判と報復行為に関するレポート

 2015年2月から、インド、ウッタラカンド州に計画されている大規模ダムに関して、近隣の村人40から50人による抗議行動が続いている。
 ダムはテヘリ水資源開発会社(THDC)によるものである。
 抗議に参加している村人の大半は女性や子どもであり、ダムが彼らの社会や環境に影響を与えるとしている。
 抗議の大半は歌をうったったり、彼らの恐怖や希望を訴えるなど、合法的なものである。
 一方、開発会社の側の排除行動は過激なものであり、村人を「売春婦」と罵ったり、彼らのカーストを揶揄するなどしたという。
 このダムは世界銀行から6億4,800万ドルの融資を受けて進められている。
 世銀は少なくとも書面上では「傷付けない」ポリシーを掲げ、融資のインパクトから地域コミュニティを保護することを制約している。
 しかし、ヒューマンライツ・ウォッチのレポートによれば、世界銀行はプロジェクトに伴う人権侵害に目をつぶっており、未来のさらなる違反を防ぐための適切な措置も怠っているという。

 2013年から2015年にかけて、カンボジア、インド、ウガンダ、キルギスタンで行われた調査に基づくレポート、『あなた自身のリスク: 世界銀行グループの計画に対する批判への報復』は、世銀が彼らが融資している計画への批判に対する深刻な報復行為があったという申立てについて、なんら意味のある対応をしていないという現実を描き出している。

 著者のジェシカ・エヴァンズは、世銀監査委員会の通訳が、査察団が現地調査の結論を出したわずか一週間後に投獄されたケースなどを強調した。


Critics of World Bank-Funded Projects in the Line of Fire (2015/06/22)

"At Your Own Risk: Reprisals against Critics of World Bank Group Projects"