緊縮受け入れを主張していたギリシャのサマラス前首相が率いる新民主主義党(ND)が、国内最大のテレビ局に対して、国民投票で Yes への投票に誘導するように支持する文書を送付した、とFacebook 上で告発されている。
文書は「怯えている女性や年金生活者」に「銀行に並ぶ人の列」を見せることで、Yes に追加の5-10パーセントを捻出することが可能であると論じている。
真偽は必ずしも明らかではないが、文書は、No に投票するグループを 生産年齢(25-55、特に35-45)に属する都市中心部の住民で、2015年総選挙でSyriza に投票した層であると分析している。
一方で、Yes 派の中心はは農村部に住む年金受給者であると考えてる。
また、揺れているグループは、若い女性(18-25)で、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の支持から SYRIZA に支持を移した人々である。
その上で、No に傾いている人の中で、もともとPASOKを支持していた層が No に転じる可能性が高く、そこにリーチする言葉を選ぶ必要があると論じている。
彼らがNDの政治家たちの説得を聞く可能性は低く、これは党派的な運動ではなく国民的な問題であることを強調すべきだとした上で、アテネとテッサロニキの両市長がデモなどでの緊縮アピールの先頭に立つとしている。
また、テレビにはSYRIZAの政治家との討論を放送する際に、NDの政治家ではなく、ジャーナリストや産業界の代表を対比せるべきだとしている。
また、ユーロ対ドラクマ、チプラス対非政治家といった対比は Yes に誘導し、欧州対ギリシャ、チプラス対サマラスといった構図は No を導くと分析している。
そのため、 Yes に誘導するために、ヨーロッパ圏内の、ユーロとともにある生命、尊厳、安定性、といったメッセージを伝えることとしている。