日本軍が、中国で捕虜を使った人体実験を行っていたことは有名だが、アメリカ軍も大戦中、マスタードガスといった化学兵器の開発のために、人体実験を行っていた。
ただし、アメリカ軍が利用したのは、自国の兵士である。
これは、1993年に機密解除された資料によって明らかになった。
マスタードガスは直接触れた時のダメージもあるが、DNAレベルで損傷を与えるため、被験者は白血病、皮膚ガン、気管支炎などに長く苦しむことになる。
アメリカ軍は、人種的特性によって効果がことなる可能性を検討するため、白人、アフリカ系アメリカ人、プエルトリコ人、といった人種ごとに分けて実験を行っていた。
日本軍への効果を確かめる必要から、そのなかには日系人も含まれていた。
スーザン・マツモトの夫、トム・マツモトは2004年に亡くなったが、そういった被験者の一人であった。
スーザンによれば、トムは被験者になったことを「よきアメリカ市民であることを証明できた」として受け入れていたという。
スーザンは、彼女の家にFBIが押しかけてきて、「アメリカ合衆国への忠誠心を証明するため」日本語の本を焼かせた時のことをよく覚えている。
彼の夫の家族も同様の目にあってきたが、それでも夫はアメリカを愛していた、なぜなら「こんなに自由であれる場所を他に見つけることはできない」からだ、と語っていた、という。
[Resource]
Secret World War II Chemical Experiments Tested Troops By Race