バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州選出)がウィスコンシン州マディソンで行った演説会には、一万人を超える聴衆が詰めかけ、今回の大統領指名レースで今までのところ最大規模の集会になった。
サンダースは、地元バーリントン(ヴァーモント)やデンヴァー(コロラド)でも5000人規模の集会を開いており、強い動員力を見せている。
ヒラリー・クリントン元国務長官がニューヨークで開催した集会の参加者は5500人にとどまっている。また、共和党のテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)がリバティー大学(ヴァージニア州)で開いた集会は11000人を集めたが、この殆どは強力な学生組織の動員によるもので、自主的な参加がどれだけあったかは疑わしい。
バーニー・サンダースは「民主社会主義者」を自称する、アメリカではめずらしい無所属の上院議員である。上院では基本的に民主党に同調して行動することが多いが、その主張は環境や貧困の問題などに関して、アメリカの政治家としては極めて左派的なものである。通常、左派候補が大統領指名選挙で善戦することはないが、今回、世論調査では、首位のクリントンとの差は明白であるものの、バイデン副大統領をわずかに抑えた二位につけている。
マディソンは、2011年の、学校の経費削減や組合つぶしの法律を連発するスコット・ウォーカー知事(共和党)対する大規模な反対行動、いわゆる「ウィスコンシンの春」の中心地になったところである。
この運動は成功を収め、知事のリコールに成功するが、知事は出直し選挙で当選する。リコールされた知事が出直し選挙で当選するのは合衆国史上初のことであったらしい。これは、2012年の大統領選を控えて、過度な「左傾化」を恐れた民主党本部が、ウィスコンシンの民主党グループに対して支援を手控えるように支持したことも一因であると言われている。このことから、地元の民主党支持層にサンダースへの支持が広がっているものと思われる。
また、大統領予備選が最初に開かれるため重要視されるアイオワ州の調査では、サンダースの支持は33パーセントに上昇しており、クリントンとの差を着実に縮めている。
[Resouce]
Bernie Sanders’ 10,000-person crowd in Madison biggest of any Candidate so Far
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