2015年6月18日木曜日

ラファエル・コレア、新税法2案の「一時的撤回」に追い込まれる

 報道によると、エクアドルのラファエル・コレア大統領は、大規模な反対運動に発展している税制2法案について、採決を先延ばし、国民に対して議論を呼びかけた。
 この税制法案は、キャピタルゲインへの課税と、相続税の強化に関するものである。
 現在、エクアドルの相続税は上限35パーセントの課税となっているが、これを47.5パーセントに引き上げ、課税対象も拡大する。
 コレアは、反対派が議論に応じず、単に法を廃案にしようとしているだけだと非難した上で「我々は待つことができる。これは政府のための法律ではなく、未来世代のためのものだ」と述べた。
 延期の理由の一つとして、来月6日よりローマ法王フランシスコが同国を訪れる予定になっており、政権としては混乱を回避したいものと推測されている。
Source:
Correa Delays Tax Vote, Calls for National Debate on Wealth Redistribution in Ecuador

Ecuador’s Correa Withdraws Controversial Tax Bills After Days Of Protests

2015年6月17日水曜日

Nyéléni: 食料主権と栄養摂取





Nyéléni ニューズレターの22号が発行されています。

Nyéléni は西アフリカのマリにある町の名前で、2007年に世界各国から小規模農家のネットワークがそこに参集し、食料主権と小規模農業の権利を訴える会合を開きました。
 これは、Nyéléni宣言としてまとめられ、またその後も定期的に政策レポートやニューズレターが発行されています。
 今回発行された22号は、食料主権と適切な栄養摂取の権利の関係をあつかっています。
 パレスチナの事例など、興味深い話が掲載されていますので、その囲み記事の部分を抄訳し、ご紹介します(逐語訳ではないことにご注意くださいご注意ください)。

2015年6月16日火曜日

ニカラグア運河反対デモに一万人

ニカラグアのオルテガ政権が中国系の企業との事業として進めている、太平洋と大西洋をつなぐ「ニカラグア運河」計画への反対運動として、同国チョンタレス県フイガルパで参加者一万人を超えるデモが行われた。
 参加者たちは、特に地域にとって重要な水資源を提供しているニカラグア湖が、運河とつながることによって塩化、沈殿物の堆積、水位の下降といった環境問題が引き起こされることを憂慮している。

link: Over 10,000 Nicaraguans Protest Chinese Canal Project
 (写真も)
ニカラグア運河は、ニカラグア湖を通過する形で建設される。地図は Wikipedia より。
NicaraguaCanal.5.jpg
"NicaraguaCanal.5" by Ekem - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 4.0 via ウィキメディア・コモンズ.

メキシコも同性婚合法化へ


 2015年6月15日付の記事でテレスールが伝えるところでは、メキシコ最高裁は同性婚が認められないのは差別に該当すると決定した。
法制化はまだだが、この決定により、ビクター・マヌエル・アギーレさん(43歳)とビクター・フェルナンド・ウリアスさん(38歳)は、同国初の同性婚制度による婚姻カップルとなった。

link: Mexico Passes Same-Sex Marriage

Wikileaks 、TPP交渉資料をリーク: ニュージーランドの処方箋制度を標的か【 修正、追記あり】

Wikileaks は、TPP(環太平洋経済協力協定)交渉に関する内部資料とされるものを発表した。
TPP Transparency Chapter(on June 10, 2015)
  ※画像も同サイトから
TPP交渉は交渉に参加する各国の議会にすらも内容は秘匿されて行われており、そのことに対する批判はアメリカ内部ですらも大きい。
 Wikileaks はこれまで、このTPP交渉における内部資料をリークしてきており、常緑化(エバーグリーニング)等、知的所有権に関して多国籍製薬企業を有利にすると考えられる条項の存在が明らかになってきている。
 今回リークされた資料は、WIkileaks が同時に発表した専門家の分析レポートによると、ニュージーランドのPharmac(New Zealand’s Pharmaceutical Management Agency / ニュージーランド医薬品管理庁)を標的にしたものだと考えられる。


 Wikileaks のサイトで懸念を表明しているのはラトローブ大学(オーストラリア)のデボラ・グリーソン博士(グリーソン氏資料:PDF)と、オークランド大学(ニュージーランド)のジェーン・ケルシー教授(ケルシー氏資料:PDF)である。
発表された資料はTPP協定の「透明性」に関する付属書の一部であるとされ、2014年12月17日の日付がある。
 文書は、参加国の「国営のヘルスケア・プログラム」に対して、どのような薬品や治療機器に対して保険を認めるかの決定について、高いレベルの「透明性」を求めるものとなっている。
 「透明性」といえば聞こえはいいが、これは、どの医薬品や医療機器が対象であると認められるかの決定プロセスに対して、多国籍企業が介入する仕組みを作るように求めるものである。
 文書は、対象になるリストの決定に際して、十分な公示期間、「公式でよく定義された」提案を審議しなければいけない義務、またそれに関わる訴訟手続を明示するように求めている。
ケルシー氏によれば、文書が「公的なヘルスケア機関によって運営されているヘルスケア・プログラム(‘national health care program’ run by a ‘national health care authority’)」に狙いを定めているのは、主にニュージーランドを対象にするためである。
 たとえばアメリカ政府が運営するメディケアはすでに同様の規制を別のFTAで受けており、またここでも、多くの保険(たとえば州政府や国防総省が運営している)はこの条項の対象から除外されることが念頭にある。
 なぜニュージーランドの Pharmac がTPPのターゲットになるかといえば、これは極めて効率のよいヘルスケア制度として、多くの国が手本にしているからである。2013年に発表されたオーストラリアに関するレポートによれば、もしオーストラリアが同様のシステムを採用すれば、同国は16億オーストラリア・ドルを節約できる見込みである、と論じられている。
 現在、第三世界の多くの国がニュージーランドをモデルに制度の整備に関する議論を行っており、ここに楔を打ち込むことは、製薬企業にとって重要である、とケルシー氏は分析している。

 ※以下のご指摘をいただきましたので、当該部分の表現を修正しました。ご了承ください(2015/06/16)。

2015年6月12日金曜日

スペイン:「広場占拠運動」の活動家がバルセロナ市長に

※先に行われたスペイン統一地方選の情報を、許可を得て転載します。

5月24日にスペインで一斉地方選挙が実施され、左派政党「ポデモス」と、ポデモスの支持を受けた地域政党が躍進した。
 二大政党の人民党と社会党は得票率をそれぞれ、前回(11年)の37%、27%から27%、25%へと減らした。初めて一斉地方選挙に参加したポデモスは(単独ではなく他の左派政党との連合で)、約14%を得た。

前回の地方選挙では、経済不振と社会党への不満の高まりの中で人民党が圧勝した。今回の選挙で人民党のラホイ首相は経済回復の予想を強調し、未知数の左派政党に経済運営を任せることはできないと訴えた。しかし、人民党は議席数を大幅に減らし、多くの州や都市でポデモスや市民党が議会においてキャスティングボートを握ることとなった。

カタロニア州の州都バルセロナ(人口160万人)では、11年の広場占拠運動や住宅占拠運動の活動家のアダ・コラウさん(41歳)が市長に選出された。コラウさんは地域政党「バルセロナ・エン・コム(みんなのバルセロナ)」の代表で、住宅強制退去をやめる、公営住宅を増やす、富を再分配する等の公約を掲げた。
 首都マドリードでは人民党が第一党を維持したが、僅差で第二党となった「アオラ・マドリード(今日のマドリード)」のマヌエラ・カルメナさん(71歳)が6月の市議会で市長に選出される可能性がある。同党も広場占拠運動の活動家によって結成された地域政党でポデモスの支持を受けている。

第三の都市バレンシアでも左派政党の連合が成立すれば左派の市長が誕生する。
 英国「ガーディアン」紙は次のように報じている。
 「マドリードとバルセロナでの左派連合の躍進が示唆(しさ)することは、今後スペインの二大都市における政策課題がスペインの『怒れる者たち』の運動をルーツとする反既成勢力の政党の優先課題によってけん引されるということである。
 年末に実施される総選挙を前に、今回の選挙は有権者たちのムードをテストするチャンスだった。示されたメッセージは明確だった。スペインの人々は、フランコ独裁体制の終焉(えん)以降のスペインの政治を特徴づけてきた二大政党による支配を終わらせることを支持した」 (同紙5月25日付)。

米国の公共ラジオ放送NPRによると、「この数日、スペインでもっとも頻繁(ひんぱん)にツイッターで転送されている画像は、13年6月に警官隊がアダ・コラウさんを逮捕している写真である。コラウさんをはじめとする反貧困デモの参加者が、住宅からの退去強制に反対してバルセロナの銀行を占拠しようとしていた時の写真で、『歓迎、新市長』というメッセージが添えられていた」 (同25日付)。

コラウさんは住宅強制退去に反対する直接行動で数十回警察に拘束されている。2年前には国会の公聴会で住宅強制退去の問題について証言し、同席した金融産業の代表を激しく非難し、議会による懲罰を受けた。この証言によって彼女は緊縮政策と失業に苦しむ多くの人々の共感を得た。彼女は広場占拠運動に先立つ09年から、住宅強制退去に直面している人たちを支援するグループ、PAHを結成して活動を始めてきた。

今回の市長選挙に向けて、「バルセロナ・エン・コム」のほか、「ポデモス」、「カタロニア緑の党のためのイニシアチブ」、「統一オルタナティブ左翼」などの政治グループや市民団体が力を合わせた。
 同24日夜、コラウさんは選挙本部前で支持者たちを前に、「ダビデがゴリアテに勝ったのだ」と語った。また、オーストラリアの「リンクス」誌のインタビューに答えて、「……選挙運動はこのような『民主主義革命』の流れの中で形成された。私たちは誇るべきである。他の国だったら反応は全く違っていただろう。しかし市の政治は歴史的に、下から上へ、人々に近い所から破裂が起こる場所なのだ」と述べている。

“翻訳:喜多幡佳秀、「労働情報」誌6月15日号より”

2015年6月8日月曜日

ファイナンシャル・タイムスにスティグリッツら著名な経済学者らのギリシャ債務問題に関する声明

2015年6月5日付のファイナンシャル・タイムスに、「最後の瞬間に、経済的平静と人道を求める請願」"In the final hour, a plea for economic sanity and humanity"と題され、世界の著名な経済学者など26名が署名している声明が発表された。
 この声明は、ギリシャのSyriza政権と、債務問題をめぐって対立を続けるEU指導者に対話と譲歩を求めるもので、ノーベル賞経済学者ジョゼフ・スティグリッツ、拡大する格差についての著作『21世紀の資本』が世界的な大ベストセラーになったトマ・スティグリッツ、元イタリア首相マッシモ・ダレマ(共産党→オリーヴの木)らが署名している。
 経済学者らは、声明の中で、緊縮財政と「改革」を区別する必要があると述べ、緊縮財政が人々の生活に厳しい影響を与えることを警告し、EUがSyriza政権に対して求めている、厳しい緊縮政策を含む財政再建案を再考することを求めている。
オルタグローバリゼーション運動という観点からは、ATTACフランスの学術委員会メンバーでもあるドミニク・プリオン(パリ大学)が参加しているのが注目される。