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2015年7月15日水曜日

「開発のための金融に関する国際会議」と国連持続的開発目標

現在策定中の「持続的開発目標」(SDGs)についてどのような議論が行われているかの一例となる記事を紹介する。ここで紹介するのは、主に世界銀行やIMFのような国際機関からのものであり、グラスルーツの社会運動からは大きな批判が寄せられている類のものであるが、批判的に検討する一助としてここに紹介する。

7月13日から第三回「開発のための金融に関する国際会議」がエチオピアの首都アディス・アベバで開催されている。主要な議題は、現在国連が策定中の野心的な貧困削減目標である「持続的開発目標」(SDGs)に関するものである。

会議前夜の7月10日、主要な開発銀行は共同で、三年間で4000億ドル、国連の持続的開発目標(SDGs)のための勇姿を拡張する計画を発表した。

先週末に発行されたプレスリリースの中で、アフリカ開発銀行、アジア開発銀行、欧州復興開発銀行、欧州投資銀行、米州開発銀行、世界銀行グループ(しばしば国際開発金融機関(MDBs)と総称される)はIMF(国際通貨基金)と共に、「民間および公的なパートナーとより緊密に、持続的開発目標(SDGs)の達成という歴史的挑戦に必要な資源を動員するのを助けるために働いていくことを誓約」している。

IMF専務理事クリスティーヌ・ラガルド氏はワシントンで8日、持続的な成長を促進するために、IMFが発展途上国の資金調達を増大させることを発表した。

IMFの理事会で承認されたこの変更は、開発途上国に対する譲許的融資を50パーセント増大させるものである。

さらなる援助が貧困で不安定な国々を対象に行われる。また、IMFは自然災害の発生した弱い国々に対するゼロ金利での早期貸付も管轄することになる。

ラガルド氏は三つの重要な会議、エチオピアで行われている融資に関する会議、11月にニューヨークで行われる国連サミット、パリで年末に予定されている気候変動枠組条約会議に言及し、これらは、IMFを含む国際コミュニティにとって、SDGsを達成するために発展途上国を援助する「機会を提供してくれる貴重な窓」である、とラガルド氏は述べた。

「これらの三つは私たちが曲を変えるのを助けてくれます。」と彼女は述べた。「私たちは、共同で新しいアプローチを選ぶ機会を持っているのです」

最初にリオ+20サミットで姿を現し、SDGsでは現在、貧困と不平等の削減、気候変動への取り組みなど17の目標が設定されている。これらは、次の15年間で国連加盟各国が国家政策として取り組む、グローバルな青写真を構成することが期待されている。

これらの目標は、2000年に、貧困に関する八つの目標として設定され、今年期限を迎える国連ミレニアム開発目標(MDGs)を引き継ぐものとなる。

多くの人が、SDGsは範囲が広すぎ、コストもかかりすぎると危惧している。

国連は2014年8月に、持続的開発のための金融に関する専門家による政府間委員会から、SDGs目標の一つである「すべての国からの極端な貧困の根絶」のためには毎年660億ドル前後の資金が必要であると報告を受けている。

「気候と調和した」シナリオの達成のための投資コストは毎年数兆ドルになる。

経済社会問題担当の呉紅波国連事務次長は4月18日に出版されたIMFの調査の中で、SDGsを達成するコストはMDSs を上回るものになるだろうと述べている。

「貧困の根絶に加えて、このアジェンダは経済、社会、環境の諸問題をカバーしています。この実施には膨大な額の金融資源が必要になるでしょう」と彼は述べている。

SDGsの金融面での実施には、国際援助のほかに、民間資源、パートナーシップ、およびメカニズムのイノベーションが必要になる、とレポートは述べている。

しかし、国際援助は未だ、低開発国、特にアフリカ諸国と内陸国にとって重要である。

1970年に、先進国は国民総所得(GNI)の0.7パーセントをODA(政府開発援助)に支出するという目標が合意された。しかし、OECD(経済協力開発機構)加盟国中、5カ国のみがこの目標を満たしている。

開発途上国にとってODAは経済発展と福祉のための資源移動の方法である。

ワシントンにあるグローバル開発センターのシニアフェロー、チャールズ・ケネディは7月7日のブログで、開発援助だけではSDGsのための数兆ドルの資金はうごかせない、と指摘している。

「真実は、開発はもはやほとんど援助の問題ではないということである」と彼は述べる。

彼は、各国政府の貸付やほかの収益になる金融資源のほか、海外で生活する移民からの送金、海外直接投資、開発途上国への民間からの貸付などについて述べている。

IMFはこれらの国々への貸付、支援、助言などを提供することで目標に貢献できるだろう。

ラガルド氏は発展途上国の税率を上昇させるといった方法を通じて、税収を上昇させることに注力できる、と述べた。彼女によれば、OECD加盟国の平均的な税収(DGP費)が34パーセントなのに対して、途上国の平均は15パーセントであるという。

「単純、公平で包括的な制度によって集められたお金を、正しい政策に従って使うことが、ゲームを変えます」と彼女は述べる。

 腐敗と戦い、補助金を削減することで非効率を排除することもIMFのもう一つの目標である。約30パーセントの公的支出が、公的投資プロセスのなかで非効率のために失われている、と彼女は述べる。

「彼ら(発展途上国)は彼ら自身でそれを行えません」と彼女は述べる「もし、国際コミュニティがこれらの努力に参加すれは、より一層多くのことができるでしょう」

By Zhai Yun Tan

[Resouce]

IMF Steps Up Lending to Achieve Sustainable Development

2015年6月20日土曜日

IMF、ギリシャのジャーナリストを「訓練」

 IMFの、前ギリシャ代表のパナギオティス・ロウメリオティス氏は、IMFはギリシャのジャーナリストたちをワシントンに招き、IMFと欧州委員会の主張を報道するように「訓練」していたと証言した。
 ロウメリオティス氏は、個別のジャーナリストの名前を挙げることは拒否し、「多くのジャーナリストはIMFの誤情報キャンペーンの犠牲者である」と述べた。
 また、ジャーナリストだけではなく、何人かのエコノミストや大学教授も、債務が持続可能なものであるというIMFの主張は正しいということを説明するためのセミナーに参加していたと明らかにした。

IMF “trained” Greek journalists in Washington D.C. to spin stories in favor of IMF and European Commission

2015年6月4日木曜日

中国のAIIB(アジアインフラ投資銀行)がなぜ世界に受け入れられたか?

日本でもAIIBに加盟するか否かを巡って大きな議論が起こった。結果的にはBRICS諸国やアジアの主要国のみならず、アメリカと日本を除く西側諸国も多く参加しての発足となった。
  先進国の開発政策を激しく批難してきた左派シンクタンクであるフォーカス・オン・グローバル・サウスの国際政治学者で、前フィリピン国会議員でもあるウォールデン・ベローの議論を紹介する。
 ベローは、世界銀行とIMFが先進国の利益と古典的な緊縮政策を支持する経済学者に支配されており、第三世界諸国が求めている改革がまったく実施されてこなかった、というところに本来の原因を求めている。
 世界銀行はアメリカのための機関と考えられており、日本が支配するアジア開発銀行も、アジア諸国から見ると実質的にアメリカの政策に従属的である、とみなされている、とう指摘である。
 両機関においてクォータの調整などの改革は行われているが、これらは中国を筆頭とする第三世界諸国を満足させるものではなかった、というわけである。
 ここでは触れられていないが、故ウゴ・チャベス前ベネズエラ大統領らが主導した「南の銀行」(Banco del sur)も同様の問題意識のもと、設置された。
  AIIBが開発を進める際に、環境や貧困、人権の問題をどう扱うかは現在のところ未知であるが、AIIBへの参加とは別に、民主制や透明性において、世銀、IMF、および日本が主導権を握るアジア開発銀行の改革をどう進めていけるか、ということが問われているのである。